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Rubyの#13053を読んでみる(1)

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前回 [http://www.koooge.com/entry/2016/12/10/061440]のあと、しばらくしてsvn update し直してからmakeしてみたところ無事rubyのビルドが成功しました。やはり単に最新のrubyを使うだけでいろんなバグが踏めそうです。(普通にrubyを使うにはそれが目的でないとは無いと思いますが)

Issue読んでみる さて、引き続いて今回はissueを読んでみます。 まずは、既にクローズされたチケットから読んでみて、雰囲気を味わうことを目的にします。

#13053 これを見ていきます。 [https://bugs.ruby-lang.org/issues/13053:title]

選んだ理由はなんとなくです。朝通勤中に電車でメールを見てたら[ruby-core:78739] で流れてきたので選んでみました。 タイトルから見るにArray#select!((http://ref.xaio.jp/ruby/classes/array/select_bang ))の問題みたいです。

descriptionを読む まずはチケットのdescriptionを確認

Since Ruby 2.3 ([Feature #10714]), the following code cause the Array to be nagative number size.

ary = [1,2,3,4,5] ary.select! { |i| ary.clear if i==5; false } p ary #=> [] p ary.size #=> -5

コードで説明しているissueは分かりやすくて助かります。ary.select! { |i| ary.clear if i==5; false } は、配列をイテレートして、5だったら配列を空に、次行でブロックの戻り値をfalseとしています。 なんでこんなことすんの(´・ω・`)って思いますが、 aryは空になっているにもかかわらず、ary.sizeが-5になのは明らかに変で、0になるべきです。

因みにこれをruby-2.2.6で実行すると

irb(main):001:0> ary = [1,2,3,4,5] => [1, 2, 3, 4, 5] irb(main):002:0> ary.select! { |i| ary.clear if i==5; false } => [] irb(main):003:0> p ary [] => [] irb(main):004:0> p ary.size 0 => 0

ちゃんとary.sizeが0になっています。

修正内容をみる revision 57121で修正されていますので、diff(( https://bugs.ruby-lang.org/projects/ruby-trunk/repository/revisions/57121 ))を確認します。 rubyでは、svnとredmineの連携を使用されているので見やすく良いです。 diffから見るに、trunk直下のarray.cとそのユニットテストが更新されことが確認できます。

testには、先ほどdescriptionでみた問題コードが記述されています。 これ、確かにテストにはなると思いますが、なんでこのテストコードでいいんだろう。。

testの内容も気になりますが、とりあえず置いといて、array.cの修正をみます。 redmineのdiffが見づらいのでgithubで確認しました。 [ https://github.com/ruby/ruby/commit/b5da45d6d7435d42591bc5c65c9c015984f2e4b2:title ]

修正前コード

static VALUE select_bang_ensure(VALUE a) { volatile struct select_bang_arg *arg = (void *)a; VALUE ary = arg->ary; long len = RARRAY_LEN(ary); long i1 = arg->len[0], i2 = arg->len[1];

if (i2 < i1) {
if (i1 < len) {
    RARRAY_PTR_USE(ary, ptr, {
	    MEMMOVE(ptr + i2, ptr + i1, VALUE, len - i1);
	});
}
ARY_SET_LEN(ary, len - i1 + i2);
}
return ary;

}

ふむ。まずselect_bang_ensure(VALUE a)っていう関数がなんぞやって感じですが、関数名から推察するにselect!の処理ルーチンのようです。

引数のVALUEは、値へのポインタです。(このあたりはRubyのしくみ [https://www.amazon.co.jp/gp/product/4274050653/ref=as_li_qf_sp_asin_il?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4274050653&linkCode=as2&tag=koooge-22] に書いてました) select_bang_arg構造体のaryメンバに配列情報が入っているみたいで、。 RARRAY_LEN(ary)は、マクロ処理で配列の長さを取得できるようです。

long i1 = arg->len[0], i2 = arg->len[1];

のlen[0]とlen[1]がパッと見わからなかったのでselect_bang_arg構造体を見ます。

struct select_bang_arg { VALUE ary; long len[2]; };

なるほど。何も説明が無い! 勘となりますが、len[0]が配列のheadへのポインタで、len[1]が配列のtailへのポインタ(´・ω・`)違う?

これは遡ってlenが何かを確認する必要がありそうです。 select_bang_ensure()は、rb_ary_select_bang()からrb_ensure()に関数ポインタを渡しているみたいなので、次回rb_ary_select_bang()から追ってみたいと思います。


ここまで気になったこと array Arrayなんてとっくに枯れて安定しているものと思っていましたが、 これみたいに機能追加でデグレがあるんですね。 こういうところは貢献していきやすいのではないかと思いました。

array.cのtest テストこれで過不足ないのか感。やっぱDone better than perfect.なんでしょうか。

修正の確認環境 redmineにあるコードをコピペしたら、改行コードの関係か1行が2行にずれる。 githubで修正を確認しましたが、他に楽に差分確認する方法あるんでしょうか? Rubyコミッター方の作業環境(使用ツールとか使ってるwebサービスとか)に興味ある。

インデントがタブとスペース array.c見ただけですが、タブとスペースがごっちゃまぜ(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`) 統一してほしいです! 宗教戦争になりそうですが・・・

redmine 会社でもredmine使っているのに、家でもredmineでissueみることになるなこれ(^ω^;三;^ω^) redmineがもうちょっと進化してくんない限りgithubがいいですなあ・・

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続く Rubyの#13053を読んでみる(2) [http://www.koooge.com/entry/2016/12/26/005958]